小型風力発電機制御回路を開発  ―自然エネルギーでライトアップを行う広告塔―

 CO2 削減要求や大震災の影響から、環境に優しい発電が注目を集め、県内でも自然エネルギーを利用した発電に取り組む企業が増えています。工業試験場では、(株)フタキ鉄工(白山市)と共同で、広告塔の照明に使用する電力を風力発電と太陽光発電の独立電源でまかなうエコハイブリッド発電広告塔の開発に取り組みました。この広告塔は、定格200Wの発電機による風力発電部と、定格43Wの太陽電池2枚の太陽光発電部で発電します。この開発において、特に風力発電部の発電制御回路の開発を支援しました。

 開発した発電制御回路は、風車の過回転を防ぐブレーキ制御と、風車から効率よく電力を取り出す発電制御から成ります。ブレーキ制御は、過回転による機械的破壊と電子部品の耐電圧超過を回避し、視覚的に危険を感じない回転速度に風車を制御しています。また、発電制御では、弱風時に小電力を取り出し、強風になるにしたがって加速度的に大電力を取り出すような制御をしています。この制御により、弱風から強風まで風速に見合った効率的な発電が可能になりました。

 今後は、さらなる発電効率の向上等、製品改良のための技術支援を行っていきます。


エコハイブリッド発電広告塔と試作回路

 

担当:電子情報部 田村陽一(たむら よういち)

専門:電子回路

一言:弱電だけでなく100V対応発電回路にも挑戦中。