場長就任にあたり


場長 山下 孝明(やました たかあき)

 4月に工業試験場長を拝命いたしました。

 2002年から息の長い拡大を続けてきた景気も、さらに拡大を続けるには、エネルギーや原材料価格の上昇など不透明な要因が多く、厳しい局面をむかえているようであります。着任後の企業訪問等からも、業種や企業規模等による違いはあるものの全体としては決して楽観的とはいえないようであります。

 石川県では、産業振興の新たな指針として「石川県産業革新戦略」を定め、地域経済の活性化、地域間競争を勝ち抜くための施策に積極的に取り組んでいます。国際化、企業間競争の激化、少子高齢化の中で、県内各企業は、実力を高め、モノづくり企業として事業基盤の一層の安定と拡大を図り、持続的な成長・発展を遂げなければなりません。

 このため、工業試験場は、高い専門的能力に基づいた技術等の支援組織として、「県内の企業の試験室、実験室」を基本コンセプトに、「技術指導」、「依頼試験」、「研究開発」を三本柱として業務遂行しております。そして、試験分析機器等の充実、研究員の資質向上を図りながら、現場主義に重きを置き、企業・業界の動向、ニーズ、シーズを的確に把握し、産学官の連携を図りながら適時、適切な支援を行う、このことが重要であると考えています。

 今後とも、企業の方々に、工業試験場を大いに活用していただき、諸先輩が築き上げてきた信頼関係をさらに積み重ねていけるように努力することはもとより、産業界の発展に微力ながら精励いたす所存でありますので、一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げ、新任のご挨拶といたします。