降雪路面監視装置を共同開発  ―FPGAを用いた画像処理ボードを応用―

 FPGA(Field Programmable Gate Array)は、回路構成を書き換えられるLSIの一種であり、回路構成しだいでさまざまな演算処理を行うことができます。近年の性能の向上とともに、情報家電や自動車に搭載されるなど用途が拡大しています。

 工業試験場では、FPGAを用いた画像処理ボードを開発し、(株)クエストエンジニア(金沢市)と(株)松浦電弘社(野々市町)と共同で、降雪路面監視装置の開発に応用しました。

 この装置は、カメラで撮影した路面の画像から、降雪や積雪、わだちの有無などの路面の状況を自動的に識別し、電光標示板に標示して、ドライバーに情報提供します。従来の装置は、路面状況の検知にパソコンベースの画像処理装置を2台用いた大がかりなものでした。そこで、路面状況の検知に必要な画像処理を行えるようにFPGAの回路を構成し、このFPGAと周辺回路(画像入力回路など)を実装したコンパクトな画像処理ボードにしました(写真左)。

 これにより、パソコン大の画像処理装置は不要となり、降雪路面監視装置の小型化と低価格化を図ることができました。本装置は北陸自動車道に設置され稼働しています(写真右)。


FPGAを用いた画像処理ボード(左)と降雪路面監視装置(右)

担当:電子情報部 米沢裕司(よねざわゆうじ)

専門:画像処理、信号処理

一言:新技術・新製品の開発をぜひご一緒に!