醤油粕の有効利用  ―醤油粕イソフラボンの製品開発―

 醤油の製造過程では、大量の醤油粕が排出されますが、現在は飼料や肥料への活用が行われています。一方、醤油粕には、骨粗鬆症や更年期障害の予防に有効な機能性成分として注目を集めている、イソフラボンという物質が多く含まれていることが知られています。

 工業試験場では(株)スギヨと共同で、醤油粕から効率よくイソフラボンを抽出・粉末化する技術を開発してきました。さらに、大野醤油醸造協業組合、県立大学と協力し、この技術を利用して、醤油粕由来のイソフラボンを機能性食品素材として製品化することを目指しています。その一環として平成19年5月に金沢市新製品・デザイン開発促進事業の採択を受け、大野醤油醸造協業組合の敷地内にパイロットプラントを設置しました。現在は、パイロットプラントにおいて製造工程の検討を行うとともに、本プラントで試作したイソフラボン粉末の安全性試験を実施中です。今後、生産効率の向上や実用化に向けた生産プラントの検討を行っていく予定です。イソフラボンの利用を検討されている方はご連絡ください。


パイロットプラント風景写真

担当:化学食品部 勝山陽子(かつやまようこ)

専門:応用微生物、食品化学

一言:未利用資源の有効活用を進めています。