バニシング加工技術の開発支援
−大同工業(株)との共同技術開発−

 従来、プレスによる穴加工で精度を得るためには、仕上げとして切削工程が必要でした。この切削工程に代わる加工方法としてバニシング加工があります。これは、プレスにより開けた下穴にバニシング工具を通すことで、下穴表面を押し広げるように塑性変形させ、所定の穴寸法に加工する方法です。この方法では、最適な工具形状を決めることが重要ですが、スプリングバックなどの塑性変形の予測が困難であり、試行錯誤(試作・試行)の繰り返しが必要でした。
  そこで、大同工業(株)と工業試験場は、これらの塑性変形を予測し、最適な工具形状や工程を導出するため、有限要素法を用いたバニシング加工のシミュレーション技術の開発に取り組みました。加工接触面の摩擦係数、非線形材料特性などを合わせこむことで、加工後の穴形状や残留応力などを精度よく予測できることを確認しました(図参照)。これにより、バニシング工程の導入を支援することができ、生産工程の低コスト化が可能になりました。
  工業試験場では、このような塑性加工のシミュレーションが可能です。ご興味のある方はお気軽にご相談ください。

バニシング加工時の応力分布(プレス穴通過時)
 
加工後の変形分布 (穴断面形状)


担 当 機械金属部 高野昌宏(たかのまさひろ)
専 門 材料力学 振動制御
一 言 CAEを活用したものづくりを行ってみませんか!



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