合成繊維の高性能化
〜レーザ延伸技術の利用〜

 石川県は衣料用繊維製品の産地ですが、産地活性化のため、非衣料の比率を上げ、衣料と非衣料とのバランスがとれた産地構造の形成が望まれています。
 土木や建築等の非衣料分野では炭素繊維やアラミド繊維等の高性能繊維が用いられていますが、衣料品に用いられているポリエステル繊維等を利用できるようになれば、土木・建築等の非衣料分野への進出が期待できます。
 このため、工業試験場では、レーザ延伸技術を用いたポリエステル繊維の高性能化(高強度・高弾性率化)に取り組んでいます。レーザ延伸とは、延伸工程(繊維を引き延ばす工程)において、接触式ヒータの代わりに炭酸ガスレーザを用いて繊維を加熱する方法です。この方法では、局所的に繊維を加熱・延伸することが可能であり、従来の方法より効率よく高分子鎖を配向させることができるため、繊維の高強度化が図れます。
 レーザ延伸装置の工業化を検討するとともに、ポリエステル繊維のほか、生分解性繊維など、様々な合成繊維の高性能化を目指す予定です。

レーザ延伸のイメージ


担当 繊維生活部 奥村航(おくむらわたる)
専門 繊維構造解析、繊維物性
一言 産業用繊維資材の開発と用途開拓に取り組んでいます。



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