太陽光発電における新たな評価手法への取組み
〜気象データから発電量を予測〜


 太陽光発電は、太陽光の照射される場所ならどこでも設置可能で、排気ガス、騒音、振動の心配が無いことから、身近に活用できる有効なエネルギー資源として近年急速に普及が進んでいます。現在、日本国内の設置箇所は、住宅屋根を中心に10万箇所を越えています。しかし、その発電量は気象条件に大きく影響されるため予測が困難です。
 工業試験場では、設置した太陽光発電システムの発電量や気象データなどを継続的に計測し、この計測結果をもとに発電量を予測する新たな評価手法について検討しています。この評価手法では、計測結果を回帰分析し、日射強度、気温、風速と発電量の関係式(式1)を求めて、その式に気象条件を当てはめることで発電量を予測します。そのため、晴天時だけでなく、曇っている時や気温が高い時など、様々な気象条件下での発電量予測が可能になります。
 今後は、より正確な発電量予測を目指して継続的に各種データ計測を行い、太陽光発電の普及促進に貢献したいと考えています。

P=AI+BI2+CTI+DWI ・・・ (式1)
P:発電量[kW],A〜D:回帰係数,
I:日射強度[kW/m2],T:気温[℃],W:風速[m/s]
日射強度と発電量の関係


担当 電子情報部 橘 泰至(たちばな やすし)
専門 太陽光発電、電子回路
一言 太陽光発電は次世代に残せるエネルギー資源です。



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