感温変色繊維の開発支援
〜温度の変化で色を変える繊維の試作〜


 工業試験場モノづくり支援センターに設置されている機器を活用し、県内企業のウーブンナック(株)が取り組んできた、温度の変化で色を変化させる色素を練り込んだ機能性繊維(感温繊維)の開発を支援しました。
 これまでの感温繊維は釣り糸のように太い繊維しかなく、その上太陽光にさらされると機能が低下するため製品用途が人形の擬毛などに限定されていました。
 本開発では、繊維の原料となるペレットに機能剤を練り込む樹脂溶融混練装置と、ペレットを熱で融かして繊維を作製するマルチフィラメント製造装置を用い、細くて太陽光に耐える繊維の開発を検討しました。その結果、溶融粘度や紡糸・延伸の温度条件を検討することで、細い繊維の製造技術を確立するとともに、紫外線吸収剤とその量を調整し、耐光性3級程度にまで耐久性を高めた繊維を作ることができました。さらに、開発した繊維を用いて、室内外の温度差で柄の色が変化する小物(鞄、帽子等)や農業用簡易温度センサー(ハウス用)などを試作しました。
 この開発は(株)繊維リソースいしかわの事業の一環で進められたもので、今後は幅広い分野において感温繊維製品の実用化を目指していく予定です。

開発した感温繊維
(手の温度で変化する)


担当 繊維生活部 木水 貢(きみずみつぐ)
専門 繊維材料、繊維物性
一言 新しい発想を実現するために、センター機器をご利用下さい。



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