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微生物を活用した油汚染土壌浄化技術の開発

■(株)ゲイト 研究室 山本貴志

■技術開発の背景
 平成22年4月の土壌汚染対策法の改正により,汚染土壌の搬出・運搬に関する規制が強化されたため,汚染現場で浄化する手法が注目されてきました。微生物を用いた土壌修復は,低コストで現場浄化できるため,有望な手法として期待されていますが,修復に時間を要することが課題です。
 弊社では,給油所や工場の営業を停止することなく,微生物を用いて油汚染土壌を短期間で現場浄化する技術を開発しました。

■技術開発の内容
 微生物を用いた浄化技術には,もともとその場にいる土着菌を活性化させる方法(バイオステミレーション)と汚染物質の分解能力を持つ微生物を培養して添加する方法(バイオオーグメンテーション)がありますが,弊社ではバイオオーグメンテーション技術の開発に取り組んでいます。
 工業試験場での企業参画型研究開発において,同場で分離された高い油分分解能力を持つ新規微生物(図1)と弊社独自の注入工法「バイオアドバンテージ工法」(図2)を組み合わせ,営業中の給油所で高い浄化効果を確認しました。(図3)

(図1 新規微生物の濃縮液)
(図2 営業中給油所での微生物注入)
(図3 新規微生物による浄化能力の向上)

■浄化技術の特徴
1)国内で分離し,安全性が確認された高い油分分解能力を持つ微生物を使用
2)独自の注入技術「バイオアドバンテージ工法」による汚染箇所へのピンポイント注入
3)浄化効果の確実性とコスト低減(従来の掘削除去の60〜70%)

■今後の展開
 現在,弊社独自の工法を用いていくつかの浄化案件を手掛けています。その中でよりよい条件を見出し,より高い確実性と低コストを実現し,土壌浄化分野におけるシェア拡大を図りたいと考えています。