光学機器用小型アクチュエータを開発 ―超音波振動子により小型化、高分解能化を実現―
ミラーやレンズなどを扱う光学機器では、各種装置の自動化やコンパクト化に伴い、小型・高分解能なアクチュエータの開発が望まれています。従来の電磁モータを利用した方法では、これらの要求への対応が困難な状況となっています。そこで、工業試験場では、シグマ光機(株)、ニッコー(株)、東京工業大学と共同で超音波振動子を用いた小型アクチュエータの開発に取り組みました(経済産業省:地域イノベーション研究開発事業)。
このアクチュエータは、圧電素子で作られた板状振動子に1秒間に数万回の伸縮・屈曲振動を発生させ、この振動の力を利用して駆動部を小刻みに動かすことを特徴としています。本研究では、小型振動子及びこれを内蔵したアクチュエータ構造の開発を行い、ミラーホルダと呼ばれるミラーの角度調整機構を試作しました。試作機は、従来機と比べ、50%以下のサイズダウンと20倍以上の高分解能化を達成しました。
今後は、信頼性試験や量産化技術の検討等の製品化に向けた支援のほか、開発した振動子を他の製品へ応用展開することにも技術支援を行っていきます。
開発した試作機
担当:機械金属部 高野昌宏(たかの まさひろ)
専門:材料力学、振動工学
一言:新しい技術、製品の開発を目指します。