微生物を用いた廃油の分解研究から応用製品開発


 近年,工場や飲食店から排出される油分が,土壌や水質を汚染し社会的な問題となっており,地球環境に優しい油処理技術が求められています。  
 (株)ゲイト(金沢市),北陸先端科学技術大学院大学と協力し,環境に優しい廃油処理のため,油分解微生物の探索,バイオリアクタの開発,動植物油・鉱物油の分解実験,現場排水の分解実験,油分解微生物の固定化を行い,多方面から微生物を用いた廃油処理技術を開発しています。
 成果として,微生物と特殊加工した珪藻土を混合した環境に優しい引火防止剤を開発しました。この引火防止剤は,(1)珪藻土が油分を吸収し,(2)微生物が油を分解することで, 油汚染した環境を浄化します。 この製品は燃料などの引火性の高い油が漏洩した現場での使用が期待されます。
 工業試験場は, 今後も環境保全に役立つ技術開発を行い, 県内産業の発展を支援していきます。
引火防止剤を用いた油分解の概念図
引火防止剤を用いた油分解の概念図

担 当 化学食品部 井上智実 (いのうえともみ)
専 門 微生物工学,遺伝子工学,生体触媒,表面処理
一 言 環境保全は, 一人一人の取り組みが大切です。


トップページ

技術ニュース

前のページ

次のページ